会長挨拶

会長就任にあたって (2016年5月)
    一般社団法人地理情報システム学会会長 玉川英則(首都大学東京)

 5月28日に開催された社員総会で理事に選任され、理事会のご推挙により会長を務めることになりました。当学会がまだ法人化される以前の時代に事務局長を仰せつかって以来、理事の一員として、大会実行委員会、編集委員会、渉外委員会等に関わらせて頂きましたが、今回、学会をまとめる立場となり、その責任の重さを改めて感じているところです。こういう場合、希望と不安が入り混じった…というような表現をよく使うものですが、私の場合、自分の力不足に起因する不安の割合が90%と言えましょうか。
 本年は、当学会設立25周年です。記念事業という喫緊の課題があり、すでに矢野前会長を中心に記念誌の編纂等が進められていますが、10月15、16日の学会の年次大会に合わせて開催予定の記念行事を無事運営できるかどうか… 切に皆様のご協力をお願い申し上げる次第です。
 さて、そのような中でも今回謹んで会長職をお受けしたのは、私なりのビジョンがあってのことです。25周年という時間の重みを受け止めながら、次の世代・次の時代へのステップとなるような試みができればと考えています。

 新たなステップとは、包括した言い方をすれば、コミュニケーションの活性化ということになるかと思います。世代間では若手会員の活躍の場を広げ、その声が反映されるようにしたいと思います。学協会間に関して言えば、地球惑星科学連合、地理関連学会連合、防災学術連携体等との連携のさらなる展開が考えられます。産学官の間については、GISCA等の接点がありますが、それを進展させるとともに新たな「よき関係」を模索していくことも望まれます。中央と地方あるいは地方間の連携強化も重要な課題ですし、国際的な側面では、今年の大会時に発会式を予定している、日・韓・台のGIS関係3団体による国際学会の発足は大きなエポックになることと思います。
 当方、直近では、矢野前会長のもと2年間、副会長兼財務担当理事を務めておりましたが、幸いその間、学会の財政は極めて健全な状態で推移しました。それ自体は望ましいことですが、反面、委員会や分科会(SIG)、さらに地方支部の活性化のために適切に利用して頂くことも重要だと感じております。様々な立場、年代、国籍…の方々が一堂に集う学会の特長を生かした活動を推進する財政上のしくみも重要です。

 ところで、一般社会のGISに対する関心について、ある興味深い指標があります。日本経済新聞における「GIS」または「地理情報システム」というキーワードを含む記事数は、2003年頃の年間約60-70件をピークとしてここ10年余り減少を続け、最近では数件程度と低迷しています。これだけ見ると、GISの注目度が近年落ちているようにも思えます。
 しかし、その一方で、ビッグ・データ、マイクロ・ジオ・データ、ユビキタス・コンピューティング、ウェアラブル・センサー、ITS、自動運転、ドローン等々、何らかの意味でGISに関連する、又はGISを応用した事物のキーワードは頻繁に耳にするようになって来ていますし、災害の現場で電子地図が活用されるといったことも珍しくはなくなっています。また、理事会や総会でも話題になりましたが、2022年度から高校教育において地理が必修化され、その中ではGISに関する内容もふんだんに盛り込まれることになるようです。
 まさにGISは、もはや、それそのものが特別な技術として話題になることはないけれど、様々な場面に入り込み定着化する中で、新たな展開が図られる時期に突入していると言えるでしょう。学会のあり方も、その状況を踏まえながら考えていかねばなりません。前述の繰り返しになりますが、改めて学会員の皆様のご協力、そして本学会でのご活躍をお願いして就任のご挨拶とさせて頂きます。

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