地理情報システム学会

GeoAI Seminar’2024 Spring報告

2024年4月19日16:00-20:30に、慶應義塾大学SFC研究所みらいのまちをつくる・ラボ(品川区東大井5-11-2 K-11ビル7階)にて、GIS学会はGeoAI分科会企画によるGeoAI Open Talk「人流データの表と裏」を開催しました。ジオテクノロジーズ株式会社より人流データのシステム展示も同時に行いました。学会内外の企業、学校、マスコミ関係者63名の方が申し込み、当日50名の方が参加されました。

前半(16:00-18:00)では昨年10月の学術大会時企画セッションに続けて、中央大学大場章弘助教によるモデレートのもとでハンズオンを行い、地理空間的生成系AIツール、LLM-GEOを体験しました。今回は参加者全員1つ以上のケースを完遂し、GeoAIツールによるマップ作成の流れを体験できました。ハンズオン終わりにGeoAIツールの構造と新規性を確認し、実用可能性を検討しました。

後半(18:30-20:30)では、ジオテクノロジーズ株式会社秋本和紀GTダイレクト営業本部長によるモデレートのもとでパネル討論を行いました。厳網林GIS学会長、東京都市大学秋山祐樹教授、ジオテクノロジーズ株式会社加瀬正和デジタルデータアナリティクス ディレクター、株式会社unerry住川俊多データビジネスVPがパネラーから、それぞれ「GeoAIにおける人流データの可能性と課題」、「人流データ活用の最前線」、「人流ビッグデータ分析基盤とその活用」、「人流データの活用用途の拡大」について話題を提供いただきました。その後、パネラーらが互いに疑問やヒントになったものについて、たとえば、GeoAIの現状、今後の見通し、人流ビッグデータの収集方法、精度検証、信頼性評価など、意見を交換しました。また会場からビッグデータストレージの管理、応用開発、産学交流などについて活発に意見や提言があってパネラーらと議論しました。最後に厳会長はハンズオンと討論会の全体を振り返りながら、GeoAI はAI for GIS/GIS for AIの両方からGISの発展に貢献する可能性があって、産官学一同で研究・交流を深めていくことが必要で、学会活動を応援するように呼びかけました。

次回Geo AI Open Talkは2024年7月5日同時間帯(場所未定)に開催しています。

 

*GeoAIとは空間情報に優れるGISと知識処理に優れるAIが融合して社会課題の解決と持続可能な価値創出に向けた取り組みです。国内ではGIS学会GeoAI分科会(代表、慶應義塾大学厳網林教授)が中心になって研究調査を進めています。